行きます、とうなりながら告げた私に、野坂先輩が目を輝かせる。
「来てくれるのかい?」
「......う、はい......」
「じゃあ今日は二人という日から解放され......じゃないや、労働者が一人だけという事実から解放されるのか」
........................労働者?
二人、と言いかけて一人って言いなおした......?
野坂先輩をじっと見つめて考える。
............あぁ、これは嵌められたかも。
▷▷▷
「..................」
「..................」
年上のにこにことした先輩に、無言で引きずられていく図。
あぁ、これはもう嵌められたも同然だ。
完全で確実なる現行犯。
「野坂先輩ぃぃぃぃぃぃ......」
「うん?」
「これはいったい、どういう状況ですかぁぁああああああっ?」
「うん、こういう状況」
「抽象的すぎますううううぅぅぅううう」
その現行犯の背中でびくびくしながら、私は声を発した。
生徒会室に向かう道中。
もう一つ、事件が起きたのだ。