ホワイトゴールドの髪とピンクの瞳、何より珍しい光魔法を使うということで彼女は注目の的だった。

そんなシエナとの出会いは令息達に面白半分で揶揄われているところを助けたことがキッカケだった。
そこから彼女との仲は自然と深まっていった。
努力家で素直で笑顔が可愛くて何より優しいシエナはローリーに光を与えてくれた。
そしてライボルト含めて将来のローリーの側近候補達にも慕われていく。
そんなシエナが自慢だった。

しかし学園に入学して暫く経った頃、生徒会に入った。
ここでも求められるのは王太子としての振る舞いだった。
虚無感を感じていたが、それをシエナが癒してくれる。
シエナの「羨ましいです」という言葉に一緒に生徒会に誘うと彼女は頷いた。
シエナと共にいるだけで不思議なことに毎日が充実し始めたのだ。

そんな時、あるトラブルが起こる
生徒会室にこないシエナを探しに教室に向かうと泣きながら自分の机の前に立っている。
そんなシエナを見たローリーは声をかけた。


「どうしたんだ、シエナ」

「なんでもないんです……!」

「そんな訳ないだろう?何を隠しているんだ?」

「あっ、ローリー殿下!」

「なんだ、これは……」

「これは……」