マティルダはその言葉に瞼を閉じたあとに真っ直ぐにライボルトを見据えた。
もうマティルダが何を言ったとしても彼に届くことはないのだろう。
「お二人の要望はわかりました」
「よし……!なら早くっ」
「ですがライボルトお兄様とシエナ様には、わたくしをここから連れ出すことはできませんわ」
「なに……!?」
「どういうこと?」
「お二人が力を合わせたところで、わたくしを連れ戻すことは不可能だと申し上げているのです」
マティルダの言葉にライボルトとシエナは動きを止めた。
そして意味を理解したのだろう。
怒りから歪む顔、シエナの口元からはギリギリと歯軋りの音が聞こえる。
マティルダは二人を迎え撃つために左手で髪が邪魔にならないように耳にかけた。
しかしそれの行動とあるものが目に入ったシエナは大きく目を見開いた。
「その花の指輪……っ!どうしてアンタが!?それは私のものよっ」
マティルダが一ヶ月振りに塔の外に出た時に、ベンジャミンと互いに作った指輪を彼に保存してもらい、常につけていられるように加工した薄紫色の花の指輪のことを指さしているのだろう。
もうマティルダが何を言ったとしても彼に届くことはないのだろう。
「お二人の要望はわかりました」
「よし……!なら早くっ」
「ですがライボルトお兄様とシエナ様には、わたくしをここから連れ出すことはできませんわ」
「なに……!?」
「どういうこと?」
「お二人が力を合わせたところで、わたくしを連れ戻すことは不可能だと申し上げているのです」
マティルダの言葉にライボルトとシエナは動きを止めた。
そして意味を理解したのだろう。
怒りから歪む顔、シエナの口元からはギリギリと歯軋りの音が聞こえる。
マティルダは二人を迎え撃つために左手で髪が邪魔にならないように耳にかけた。
しかしそれの行動とあるものが目に入ったシエナは大きく目を見開いた。
「その花の指輪……っ!どうしてアンタが!?それは私のものよっ」
マティルダが一ヶ月振りに塔の外に出た時に、ベンジャミンと互いに作った指輪を彼に保存してもらい、常につけていられるように加工した薄紫色の花の指輪のことを指さしているのだろう。