黒コゲになって穴が空いた地面を見てマティルダが口元を押さえていると、複数の足音がこちらに近づいてくる。
顔を上げても、ぼんやりとした影した見えずランプを前に出す。
そして目の前にいる二人の人物を見て、マティルダは大きく目を見開いた。

「フフッ……みぃつけた」

「こんなところに隠れていたとは。確かにシエナの言った通り、普通では見つけられないな」


シエナとライボルトの唇が大きく歪んでいる。
ホワイトゴールドの髪は無理矢理まとめて草や枝が絡んでいる。
クタクタなワンピースを着ているシエナのピンクの瞳はマティルダを見て怪しげに細まっていた。

隣にいるライボルトは痩せ細り、目の下には深いクマが刻まれている。
金色の髪に緑色のメッシュの髪は乱れていて、以前の面影はない。
二人とも黒いローブを羽織っており、見るからに怪しく思えた。


「やっとあの屋敷から出てきたわ!この家の中には結界のようなものが張り巡らされていていて特定の人物しか通さないのよ」

「……!」

「ここで本当にマティルダが暮らしていたなんて……許せないわ」

「俺たちがこんな目にあっているのに、こんなとこでぬくぬくと暮らしやがって……っ!クソッ」