「え……?」


マティルダはベンジャミンの話を聞いて驚いていた。

(わたくしがいなくなったあとは、シエナ様と結ばれてハッピーエンドになったんじゃないの?それにライボルトお兄様まで……どういうこと?)

国外追放になったマティルダが退場して、シエナとローリーが結ばれる。
マティルダが退場したにも関わらず、物語通りに進んでいないことに戸惑っていた。
それにローリーだけではなく、ライボルトまで罰を受けているではないか。
そうなると気になるのはシエナの処遇である。


「あの……シエナ様は、ローリー殿下と一緒にいた御令嬢はどうなるのですか?」

『あの女は最後まで嘘をつき通そうとしていた。恐らく……処刑されるんじゃないかな?』

「…………!」

『光魔法は貴重だけど、国に与えた影響が大きすぎるのと彼女自身、今の段階では成長が見られないことも加えて、国王は切り捨てるつもりだ……表向きはね』

「表向き?」


マティルダは目を見開いた。
ローリーやライボルト達を騙して、マティルダへの扱いや周囲の貴族達の気持ちを考えてシエナは処刑されることが決まったそうだ。
しかしそれは表向きの話で、光魔法を使えるシエナを隠して王家で育てて利用しようとしていた。