「イグニスは長生きなんですか?」

『オレはフェニックスだからな』

「フェニックスって、不死鳥と呼ばれているあのフェニックスのことですか!?」

『ああ、そうだぞ!トニトルスはサンダーバードで……』

『その呼び方は気に入らないからやめて頂戴!』

『じゃあ雷鳥か?』

『それも嫌!もう黙りなさいよっ!』

「!?!?」


どうやらこの会話であることがマティルダの頭に思い浮かぶ。
不死鳥と呼ばれるフェニックス…イグニスと出会ったことで死んだにも関わらず、この世界に生き返らせてもらった。
そしてトニトルスは雷鳥ゆえにマティルダの雷魔法をご飯にしていたということなのだろう。

(わたくしはあの時、イグニスを助けたからここにいるのね……)

イグニスは色んな世界を気ままに旅をすることがあるそうで、トニトルスはそれをよく思っていないらしい。
何故なら力を使い果たして行き倒れしてしまうからだそうだ。
本人は「生き返るから」と呑気に言っているが、トニトルスはイグニスが心配ということなのだろう。
不思議な二人に「もしかして恋人?」と聞くと、トニトルスに電気ショックを食らったが、マティルダは全くダメージを受けなかった。