「も、もしかしてあの時の……!?」

『オレ様の力で生き返って、この世界に送ったんだぞ!感謝しろよな』

「……も、もしかして、あの時の赤い鳥っ!?」

『おう!オレはイグニスだ』

「……………」

『アンタいい加減にしなさいよっ!そこら中で勝手に力を使って……!』

「いだっ!やめろ……!」


トニトルスがイグニスを嘴で突いているのを呆然として見ていた。

(わたくしがマティルダになれたのは、イグニスがいてくれたからってこと?)

赤い羽根がバサバサと目の前を舞っている。
ベンジャミンがそれを制すると、トニトルスはフンと首を背けた後にマティルダの頭の上に止まった。
頭皮に鋭い爪が食い込むが、慣れてしまえば気にならない。


『ひでぇ……』

『自業自得よ!今度は探してあげないんだから』

『ごめんって……けどさ、長い時間生きてると刺激が欲しくなるじゃん?』

『お黙りっ!』


威嚇するようにトニトルスは羽根を広げている。
マティルダにとって二人の会話の内容はいまいち理解できない。