空は青々と晴れ渡り、先程よりも太陽の光が眩く感じた。
二人で手を繋ぎながら互いの話をしていた。
この世界に来てから、一番楽しい時間になったような気がした。

(ベンジャミン様が好き……大好き)

今は心からそう思った。
彼と出会って一年以上経つが、まさかこんな関係になるなんて、あの時は思いもしなかった。

それからは以前よりもずっと恋人らしい距離感で彼に接することができていた。
そして少しずつ行動範囲も広がっていき、森の中を歩いていても魔獣を一瞬で焦げつかせることができるマティルダの魔法の威力を見たベンジャミンは更に広範囲の探索を許可してくれた。

そして次の日から塔は消えて、以前と同じ屋敷に戻っていた。
マティルダが寝ている間に元に戻したらしいが、ベンジャミンの魔法には驚かされてばかりである。

相変わらず過保護なことには変わらないし、隙があればドロドロに溺愛してくるが、以前のような違和感はなくなり、心地のよい自由でのびのびとした時間をベンジャミンと共に過ごしていた。

 
そんなある日のこと、トニトルスが小さな赤い鳥を咥えて戻ってきた。

スズメサイズの赤い鳥とは違い、久しぶりに見たトニトルスは孔雀くらいのサイズ感だったのが、久しぶりに家に帰ってきたと思いきや、カラスくらいのサイズに戻っていて驚いていた。