マティルダに連れられるままベンジャミンはついてくる。
開けた場所に座って、何もすることなくのんびりと寝転ぶと、彼も同じようにその場に寝転んで不思議そうにしている。
今日は天気も良く、太陽の光を全身に浴びながら思いきり伸びをした。


「やっぱり外は気持ちいいですね……!」

「そう?」

「今度は一緒に買い物に行けるのが楽しみですね」

「うん」


ベンジャミンは終始、戸惑いつつもマティルダについてくる。
しかし次第に楽しそうな笑みを見せてくれたことに安堵していた。


「マティルダ」

「はい、なんでしょう」

「僕が怖い……?」


ベンジャミンの言葉にマティルダは首を傾げた。


「いいえ?不思議だとは思ってましたが、怖いと思ったことはありませんよ」

「……そっか」


ベンジャミンは自分の手のひらを握ったり開いたりしている。
いつもつけている黒くて少し短いハーフグローブは絶対に外さないようにしているようだ。
手のひらは半分見えていて、その先が隠れている。