そして、身に余るほどにイケメンで愛情深い最強の旦那様との結婚生活に毎日、ドキドキしっぱなしである。
ただ家を塔にしてしまうほどに外に行ってほしくないようで、少々過保護過ぎではないかと思っている。
ガルボルグ邸では一切好意を寄せているような素振りは見せなかったベンジャミンだが今ではこの通り……激甘である。


「マティルダ、どこにもいかないで」

「わたくしはここにいますから」

「うん……ありがとう」


どうしてこんな風に守ってくれるのか聞いてみると、ベンジャミンはスッと無表情になり「外にはマティルダを傷つける害虫がたくさんいるんだよ」と、真顔で言っていた。
マティルダは勝手に脳内変換して森にはベンジャミンが恐るような危ない魔物や毒虫でもいるのではないかと思っていた。


「わたくしだって雷魔法を使えば少しは抵抗できますよ?」

「マティルダは優しいから……どうかな」

「わたくしを鍛えたのはベンジャミン様ですから!」

「うん、そうだね」

「それでもダメですか……?」

「僕はマティルダに傷ついて欲しくない。心配なんだよ」


優しくマティルダの髪を撫でるベンジャミンだったが、最近は常に不安そうにこちらを見ていることが増えたような気がしていた。