すぐに数百人の捜索隊が出された。
丸一日の捜索の後、ローリーの元に届いた知らせは最悪なものだった。


「ガルボルグ邸の近くの森の中を捜索していたのですが崖の近くで、この靴が……」

「これは、まさか……!」

「ガルボルグ公爵に確認してみなければわかりませんが、恐らく……マティルダ様のものかと思われます」

「そんな……マティルダはもうっ」


崖に靴が落ちていて、マティルダはいないとなれば間違いなく……。

(マティルダは、もういないということか……!?)

ローリーの顔は青ざめていき、力なくソファに座り込んでいた。
両手で顔を覆う。これから自分がどうなってしまうのか考えるだけで恐ろしい。

そして騎士達に父への報告を頼んだ。
そこからローリーは地獄を味わうことになった。

ガルボルグ公爵はマティルダの現状を聞いて、怒り狂っていた。
あれだけ厳しく当たっていても、マティルダは可愛い存在だったのだろう。
そしてガルボルグ公爵家の協力が得られなくなったことで、城や町から明かりが消えた。
なんとか火で明かりをつけてはいたが、魔導具を使えなくなり不自由を強いられて、民達はもちろん反発した。