「さすがシエナだ。美しい光だな」

「えへへ、ありがとうございます」

「今、光魔法を鍛えるために講師と頑張っているのだと聞いたが順調か?」

「えっと……それは」


そう問いかけるとシエナは表情を曇らせた。
光魔法を極めれば、いずれ癒しの魔法を使うことができる。
城や教会に城の守り神として祭り上げられている『女神ブルカリック』は元は光魔法が使えた女性だったと言われていた。
シエナは王家から派遣される魔法講師と魔法の力を高めているはずだった。

この国の貴族達は国のため、民のために魔法を使う義務がある。
シエナの魔法は前例が少ないため、城の特別な講師達に指導を受けているはずだった。


「学園であんなことがあり続けたせいか、あまり気分が進まなくて……」

「だが、光魔法は……!」

「ローリー殿下、大丈夫ですよ!今日でマティルダ様もいなくなったし、ちゃんと頑張ろうかなって思っていたんです!それまで食欲もなくてずっと苦しかったから仕方なかったんですよ」

「ふむ、そうか……」


シエナの言うことに納得していた。