一抹の不安が頭を過ぎる。
あんなにも追い出したいと思っていたはずなのに、何故かマティルダの優しい笑顔が頭にチラついた。
彼女が去っていった扉を見ながら考えていた。
そんな時、服の裾を引かれてローリーはシエナに視線を送る。
「ローリー殿下、どうかしたのですか?」
「いや……なんでもない。もう安心だな、シエナ」
「ローリー殿下のおかげです。フフッ……うまくいきましたねぇ」
「ああ、そうだな」
「これでぜーんぶ、私のものだわ。あの人が迎えにきてくれるまでもう少し」
「……?」
シエナの笑顔がいつもと違って見えたが特に気にすることはなかった。
ローリーはシエナが喜んでいるならそれでいいと思っていた。
(俺は、こんな風に人を愛することができたのか)
シエラのホワイトゴールドの髪をそっと撫でると心が満たされていく。
『悪』を排除したにも関わらず、周囲からは拍手喝采が起こることも祝いの声があがることもなかった。
シンと静まり返る会場に違和感を感じつつも、ローリーは声を上げた。
「さぁ、今日は楽しんでくれ!」
「…………」
あんなにも追い出したいと思っていたはずなのに、何故かマティルダの優しい笑顔が頭にチラついた。
彼女が去っていった扉を見ながら考えていた。
そんな時、服の裾を引かれてローリーはシエナに視線を送る。
「ローリー殿下、どうかしたのですか?」
「いや……なんでもない。もう安心だな、シエナ」
「ローリー殿下のおかげです。フフッ……うまくいきましたねぇ」
「ああ、そうだな」
「これでぜーんぶ、私のものだわ。あの人が迎えにきてくれるまでもう少し」
「……?」
シエナの笑顔がいつもと違って見えたが特に気にすることはなかった。
ローリーはシエナが喜んでいるならそれでいいと思っていた。
(俺は、こんな風に人を愛することができたのか)
シエラのホワイトゴールドの髪をそっと撫でると心が満たされていく。
『悪』を排除したにも関わらず、周囲からは拍手喝采が起こることも祝いの声があがることもなかった。
シンと静まり返る会場に違和感を感じつつも、ローリーは声を上げた。
「さぁ、今日は楽しんでくれ!」
「…………」