「シエナが学園を休む必要はない」

「でも私、辛くて耐えられそうにないんです」

「こうなったら諸悪の根源を排除しなければ……。皆に協力してもらおう」

「そ、そんなことをしたらマティルダ様に何をされるか!それにローリー殿下だって……」

「大丈夫だ。二度とシエナの前に現れないようにすればいい。シエナは何も心配することはない」


ライボルトとシエナの証言があれば十分だと思った。
それよりもシエナには泣き顔ではなく笑顔でいて欲しい。
ローリーの頭はそのことでいっぱいになっていた。

シエナの精神状態を考えて実行はローリーの誕生日になった。
一部と二部で別れており、一部は貴族の令息や令嬢達しかいない場で行われる。
パーティーの一部はローリーが仕切ることになり、父や母も口を出すことはできない。

しかし一番の理由はローリーのシエナへの思いが正当化できて、正々堂々とシエナとの関係を公にできるという喜びが大きかった。