「で?どんなダイエットをするのさ。」

順の問いかけに私は大きく頷いてみせた。

「うん。色んなダイエットの本やサイトを見てみたんだけど・・・結局、リンゴダイエットや炭水化物抜きダイエットは一時的には痩せても、リバウンドしちゃうらしいんだよね。結論から言うとダイエットに王道はなくて、カロリー計算による食事制限、そして代謝アップや体の線を整える為の継続的な有酸素運動や筋トレ。これしかないみたい。」

「だけど食べることが大好きな芽衣ちゃんが、食事制限なんて出来るの?」

「出来るの?じゃなくてやるの。」

「でも芽衣ちゃん、学生時代はずっと文化部だったよね。たしか漫研だっけ?一体どんな運動するつもり?」

「・・・・・・。」

たしかにカロリー計算をしながらの料理はなんとか頑張れそうだけど、運動なんて学校を卒業してからというものの、まったくしたことがない。

でもジョギングくらいなら出来そうな気がする。

「私、朝早く起きて、川沿いのジョギングコースを走ることにする。」

「ふーん。ま、頑張って。」

「頑張って、って他人事みたいに言わないでくれる?私を起こすのは順の役目だからね。」

「ええー?!なんで僕が。」

「ま、頑張って!」

私は順の首に手を回し、軽くスリーパーフォールドをかました。

「・・・やめろっ!わ、わかったよ!起こせばいいんでしょ?」

「順、ありがとう!」

私はそう言って順の両手を握り、上下に振った。