「……はい」

 嬉しいなって素直に思えた。本音を言うのは私だけだって言ってくれたことが素直に嬉しくて、なんか郁さんの魅力がさらに伝わってきた気がした。

「智世里さん、この後イルカショーやるって。見に行く?」

「行きたいです!」

 イルカショーってなんで大人になっても楽しみなんだろう? 不思議だけど、ワクワクしかない。

「じゃあ行こっか。 あっちだって」

「はい!」

 ちょうどイルカショーが始まる十分前なのか、イルカショーを見たいお客さんが続々と集まってきている。

「ここ空いてるね。 ここ座ろっか」

「はい」
 
 ちょうど二人分の席が空いている所があったので、そこに座ることにした。

「楽しみだね、イルカショー」

「はい。楽しみです」
 
 そんな私に、郁さんは「智世里さん、すごく楽しそうで嬉しいよ俺も」と笑っていた。

「楽しいですよ。……郁さんとだから、かな」

「嬉しいこと言ってくれるね、智世里さんは」

 郁さんは私の目を見つめながら、「そう言ってもらえて嬉しいよ。ありがとう」と私の手を握ってくれた。

「……私も、すごく嬉しいです。連れてきてくれて、ありがとう」

「どういたしまして」