「ん?」

 笑ってしまう私を見て、郁さんは不思議そうに私を見る。

「なんか私たち、似てるなって思って」
 
 郁さんはちゃんと自分を持っている人だから、信じてみたい。

「似てる?」

「はい。郁さんもちゃんと、自分を持ってる人だって分かって、似てるなって」

 そんなことを話していると、注文したチーズケーキとコーヒーが運ばれてきた。

「チーズケーキ、美味しそう」

「食べよっか。 いただきます」

「いただきます」

 チーズケーキを一口口に運ぶと、甘酸っぱいベリーソースの酸味がやってきた。

「美味しい」

「ん、美味しい」

 ここのチーズケーキは絶品で、とろけるのに甘さ控えめで、ベリーとの相性も良い。

「とろけますね」

「とろけるね」

 このお店はチーズケーキが有名みたいで、ここのチーズケーキを求めて食べにくる人もいるんだそうだ。

「本当に美味しい」

「智世里さんは、本当に美味しそうに食べるね」
 
「そ、そうかな」

「うん。食べてる姿も、とっても素敵だよ」

 そんなに褒めてもらうと、またドキドキしてしまう。胸の鼓動が追いつかない。

「あれ?照れてる? そういうとこも、可愛いね」

 は、恥ずかしい……!