「だって智世里さんは可愛いし、その辺の女性よりも美人だと思うよ。……とっても魅力的だし」
「そ、そう……かな?」
そんなに褒めてもらうと、なんか逆に怖い。女の子なら誰にでもそういうこと言えてしまう人なんじゃないかって、ちょっとだけ疑いたくなってしまう気持ちが湧いてしまう。
郁くんはそんな人じゃないって分かってるけど、なんとなくこう……信じていいのか不安になる。
「智世里さん、俺、誰にでもそんなこと言うわけじゃないからね?」
「えっ!?」
やだ!私の考えてること、分かってる?! バレてしまってる……!
「どうせ誰にでもそんなこと言ってるんでしょ?とか思ってるんじゃないかと思って」
「な、なんで分かったの……?」
「やっぱりね」
郁さんって、エスパーなんじゃないかってくらい私の考えを読んでいる。
「まあ、男なんてみんなそういう生き物だって思ってる女の子は多いから、仕方ないと思うけどね」
「なんか……ごめんなさい」
「ううん、そう思わせるような発言した俺も悪いからさ。 俺もごめんね」
や……優しい。優しすぎるくらいに優しい。
なんでこんなに優しいんだろう、郁さん……。
「……ふふふ」