満天の星を鑑賞した後、私たちは近くのファミレスにいた。
さっき注文を終えて出来上がるのを待っているところ。
ちなみに、話せない私の代わりに楓くんがまとめて注文してくれた。
「綺麗だったね」
『うん! とっても綺麗だった!』
楓くんとプラネタリウムで見た星空の話題になり、自然と会話が盛り上がる。
「俺さ、星はどれも一緒と思ってたけど、それぞれ違うのな。星座の名前がついてたり、いろんな輝きがあってなんだか興味が湧いたよ」
そう言ってくれて嬉しい。
楓くんの言う通り、星はとっても魅力的なんだ。
『私ね、夜、星空を見上げてはいつも思うことがあるの』
手話で話す私を楓くんは真剣に聞いてくれる。
『明るくみんなを照らす太陽みたいな人になれなくても、真っ暗な世界でも自分の存在を放てるようなキラキラと輝く星みたいな人になりたいなって』
そう願って、毎日、星に向かって手を伸ばす。
『でも、実際の私は全然違ってて、みんなが当たり前にできることができないし、どんなに頑張ってもみんなに追いつけない、星みたいな人にはなれないんだなって思うの。それに……』
「それに?」
『それに、自分のことが1番嫌い』
話すことができない自分。
周りの人と比べては自己嫌悪に陥る私。