学校に着くなり、喉の奥がより一層ぎゅっと詰まる感覚がした。

2年C組。

教室の扉の前で立ち止まって心を落ち着かせるようにゆっくり深呼吸をする。

……大丈夫。

そう心の中で唱えると、意を決して教室の中へと足を踏み入れた。

私が入ってきても誰も見向きもしないのは、いつものこと。

自分の席である窓際の前から3番目の席へと腰掛けた。

このクラスになって2週間が経ち、周りの人たちは仲良い人同士でグループを組んでは楽しくお喋りしているのに、私はまだ誰とも馴染めていない。

去年、同じクラスだった子は数人いるけれど、いつも下ばかりを向いて、コミュニケーション能力なんてゼロに等しい私なんて誰も声をかけないのは分かりきっている。

こんな自分を変えたいと思うけれど、なんにもできないまま2年生になってしまった。

今でさえ学校生活は嫌だと思うのに、まだもう1年残っていると考えると気が遠くなってしまう。