怒っているその子は間を置かずにいくつもの言葉を畳み掛ける。
「ごめんなさいってなんで謝らないの? 話すこと誰でもできることなのに、なんで喋んないの⁉︎」
ーー“なんで喋んないの⁉︎”
その言葉は、痛いぐらい胸に突き刺さった。
何回何十回言われてきたのに未だ慣れなくて、その度に傷付く。
話さないからって周りから言いたい放題言われてしまうし、助けを求める声も出せない。
これだから学校は大嫌い。
それに、私にはみんなができることができなくて、それを酷く実感してしまう。
「あのさ」
肩を摩っていた子は今度は腰に手を当て、一歩前に出ると、私を見下すなり口を開いた。
「いつも思うけど、クラスの雰囲気暗くしないでくれるかな? あんたがいるだけで目障りなんだけど!」
……“目障り”
今まで傷つくような言葉散々言われてきたけれど、そんな言葉は初めて言われた。
もう1人の子も同情するかのように頷く。
「そうそう! それに、きっとみんなそう思ってるよ」
「……っ」
胸がえぐられるような感覚に陥った。
その2人は、言いたいことが言えたのか嘲笑いながらトイレの方へと向かって行った。
私は、その場に呆然と立ち尽くした。