「星乃は進学しないにしても働かないつもりでいるのか?」
それは、進路についてどう考えていますかとの質問に、“進学”と“就職”のどちらかに丸を囲まなければならなかった。
頭を悩ませた挙句、どちらかにも丸を囲むことができなかった。
今はまだ将来のことがはっきりとしてないだけ。
「……」
手話で弁解しようにも先生には手話が通じない。
ただただ下を向いて、先生の話をじっと聞く。
「お前はもう子供じゃないんだぞ。いつまでも甘ったれるんじゃない!」
痺れを切らしたのか、ついに先生の逆鱗に触れてしまった。
そして、次の瞬間、先生は衝撃の一言を私に言い放った。
「星乃の悪い癖は、話さないことだ!」
……!
私の、悪い癖……。