それから、しばらく経った頃。
4時間目の授業終了のチャイムがなり、昼休みになった。
「星乃、ちょっと来なさい」
バッグから弁当を取り出そうとしていたところ、担任の難波先生から呼び出しをくらった。
横にいる楓くんをチラッと見ると、「待ってるから」と言ってくれた。
無言で先生のあとをついて行く。
渡り廊下を歩いて職員室などがある別棟へと進む。
階段を登って3階の人気がない1番奥の空き教室へと連れられた。
使っていない教室とあって、椅子や机は無造作に置かれていて壁には張り紙が1枚もなく、なんだか殺風景な場所。
先生はドアを閉めて、私は逃げ場を失ってしまう。
心臓がドクンと嫌な音を立てた。
「星乃、これはどういうことだ?」
そう言って先生は私に“あるもの”を見せつけた。
その手にあるのは、進路希望調査の紙。
今日の1時間目のロングホームルームにて、進路についてのアンケートをとったものだった。