星空を眺めながら夜道を楓くんと一緒に歩く。

「なんだかさ、プラネタリウムの時を思い出すよな」

「私もだよ」

「あれ以来、バイト遅くなった時とかたまに星を眺めるんだ。この町は田舎だしよく見えるけど、小春と一緒に見たらもっと綺麗に見えるんだろうなって」

「……楓くん」

嬉しいよ。

だって、私も同じことを考えていたから。

寝る前にいつも星を眺めては、楓くんと星空を見たかった。

満天の星空の時も、曇ってなにも見えない時も。

ずっと、楓くんのことばかり思ってた。

それからというものの、楓くんと他愛ないやりとりを交わしながら、ふとお母さんが言っていたことを思い出した。

「あのね、楓くん。今日、お母さんが話してたんだけど、『いつでも遊びに来ていいよ』って」

「行きたいな。小春がイヤでなければ」

「あっ……」

楓くんの言葉に思わず足を止めてしまうと、それに気付いた楓くんも足を止めゆっくり私を見る。

やっぱり、楓くんは分かっていたんだ。

私が距離を取ろうとしていたことに。

楓くんのことイヤなんかじゃない。

会いたくないとかそんなんじゃない。

むしろその逆で、本当は、本当は……。