「お待たせしました」
そこへ、注文していたドリンクが運ばれて来た。
「こちら、カフェオレになります」
コップを置くなり、楓くんは私に囁いた。
「小春に元気がでるおまじないかけといたから」
おまじない……?
不思議に思ってカフェオレを見てみると、そこにはニコちゃんマークのラテアート。
なんだか嬉しくて、ニコちゃんマークと同じように私の口角も上がる。
さっきまで楓くんのことで悩んでいたのに、私を笑顔へと導くのはやっぱり楓くんだ。
「えー! いいな! 小春ちゃんにだけずるい! 私にもやってよ」
「お前にはやらないよ」
「ひどっ!」
いつもの如く、会話のテンポが速い楓くんと唯花ちゃん。