「エプロン姿の葉山くんってさ、なんか新鮮だよね。学校の時はさ、クールな雰囲気だしているのに、ここだと爽やかって感じ」

唯花ちゃんに同意するようにうんうんと頷く。

この喫茶店の特徴とも言えるお洒落な制服に黒色のエプロンに帽子を被った楓くんを初めて見た時、とてもよく似合っていて様になってると思った。

思わず胸がときめくぐらいに。

「葉山くんは、身長高いし、見た目は割とかっこいいほうだし、学校でももっと心をオープンにしたら絶対女子たちにモテると思うのにな」

つくづく思っているのか唯花ちゃんはそう言葉を漏らした。

……女子たちにモテる、か。

今は夏休み中だけど、学校があった時の楓くんは、私たち以外の女子たちに必要最低限の会話以外は一切してなかったし、男子から遊びに誘われても『バイトがあるから』と断っていた。

はたから見れば一見クールそうに見えるが、寝顔は可愛いし、笑うと明るいし、優しくて思いやりがあって、良いところがたくさんな楓くん。

もし、誰かが楓くんの良さに気付いて毎日話しかけてくるようになったら、それはそれでなんかショックになる自分がいる。