もっちーが薄っすらと目を開けた。

私たちを見るなり、嬉しそうに少し口角をあげた。

「……っ……もっちー」

私は、毛布ごともっちーを優しく抱きかかえた。

もっちーの鼓動が徐々に遅くなっていくのを感じて、さらに涙が出る。

お父さんとお母さんも鼻を啜りながら、私の背中にそっと手を置くなり、もっちーを囲んだ。

「今まで、たくさん話を聞いてくれてありがとう」

ネガティブな話が多かったと思うけど、どれも聞いてくれて嬉しかったんだよ。

「一緒に遊んでくれてありがとう」

もっちーと遊んだ日々が走馬灯のように頭の中を駆け巡る。

いろんなおもちゃを使って、お互い疲れてしまうぐらいたくさん遊んだね。

身体を撫ですぎて時に怒らせてしまい、猫パンチを食らったこともあるけれど、今となってはどれも良い思い出だよ。

「いつも傍にいてくれて、たくさん癒してくれてありがとう」

何度、ありがとうを伝えても伝えきれないくらい感謝の気持ちでいっぱいなんだよ。

もっちーがいてくれて、私は幸せだったよ。

「今までありがとう。大好きだよ、もっちー」

私の腕の中で、もっちーは静かに息を引き取った。