「小春ちゃん、葉山くん、またね! 今度、一緒に遊ぼうね!」

『うん! また会おう!』

「バイバイ、有野」

分かれ道で唯花ちゃんとはさよならをして、家へとゆっくり向かう。

「小春、ありがとな。大変だっただろう?」

隣を歩く楓くん。

ようやく2人になれたこともあって、声を出すことができた。

「あの暑さの中だったから、少し大変な部分はあったけど、貴重な体験できたし、とっても楽しかったよ」

「それなら良かった」

嬉しそうに頬を緩ませる楓くんを見ては、胸の鼓動が早くなる。

この前あんなことがあったからなのか変に意識してしまう。

今では楓くんのことを友達という関係を通り越して、強いていうならば特別な人。