実っているきゅうりを採ってはコンテナに入れるのを何回も繰り返す。
それを朝早くから作業を進めていき、気付けば12時近くを回っていた。
午前中の作業は一旦ストップして、お昼休憩となった。
近くにある楓くんのお家にお邪魔して、風通しが良い縁側に腰掛けて、扇風機をつけては暑さを凌ぐ。
「ねぇねぇ、兄ちゃんってさ、学校ではどんな感じ?」
私と唯花ちゃんの間に座っている凛ちゃんは突然こんな質問をした。
今日、まだ見かけていない楓くんは午前中までバイトが入っていた。
『……う〜ん』
凛ちゃんからの問いに頭を捻らせながら学校の時の楓くんを思い出していると、唯花ちゃんが答えた。
「葉山くんは、教室ではクールな感じかな。それでいて、私に対して態度が冷たいの!」
唯花ちゃんが最後に言った一言に、笑い転げる凛ちゃん。
「あははっ! 私に対しても冷たいよ。いつもケンカばっかりしてしまうもん!」
「一緒だね!」
楓くんの話で会話が盛り上がる2人。