今日こそは……!と胸を張る。
でも、外に1歩足を踏み入れるとその気合いは跡形もなく消えた。
……やっぱり、今日もダメか。
心の中で深い溜め息をつきながら、田んぼと田んぼの間にある細長い砂利道を歩く。
昨日は雨だったこともあり、ところどころ地面がぬかるんでいて足元に気をつけながら学校へと向かう。
別名、畦道といって、農家さんたちはここを通っては田んぼの管理をするが、私は学校への近道として毎日通っている。
私の名前は、星乃(ほしの)小春(こはる)。
昔から内気で目立つことが苦手で、自己肯定感も低く、長い髪を結ばず身だしなみにあまり気を配っていない私は自分でも分かるくらいとても地味だと思う。
代わり映えしない毎日。
代わり映えしない田舎の風景。
どこまでも田んぼが広がっているかのようにさえ思う田んぼの数々はこの町の特徴。
そんな田舎の町に生まれてから17年。
この町に唯一ある高校に通っている。