そんな感じで結局はオーダーで様々なサイズの保冷機をご注文いただいた。

「他の人にも声かけてみるわね。帝国出身の人やカルディア王国出身の子もいるから」
「本当ですか! ご紹介であればオーダー料金は割引するとお伝えください!」

 アレスが上手いこと話をしてお店に誘導してくれたようだ。
 そうか単に認知度が低かったのか。それにこの国の竜人じゃなく番としてやってきた人たちなら、魔道具の利便性を理解しているから欲しいものがあれば購入してくれる。

「うん、うちの専属執事が優秀すぎるわ」

 アレスが戻ってくるまでにもうひとりのお客様がやってきて、こちらは既製品を購入してもらえた。

 この日からじわじわと客足が伸びていき、やがて番を喜ばせたい竜人たちが商品を購入していくようになった。こうしてラクテウス王国に魔道具が急速に普及していった。