私は自分の心を自由にしよう。
 我慢しても奪われるのなら、心のままに大切なものを守るのよ。
 私はもう何も諦めたくない!

 決心した私はアレスに偽らない心からの笑顔を向ける。アレスは息を呑んで目を見開いた。


 可憐に、苛烈に、何よりも艶やかに咲き誇る一輪の華のように微笑む女が、その夜空の瞳に映っている。
 固く閉ざされていた蕾が、一途で深い男の愛によってようやく華ひらいた。



「アレス、私も愛してる。あなただけを、世界中の誰よりも愛してる!」



 夜空の瞳が歓喜に震えて潤んでいく。さらに美しく煌めく瞳から目を逸らせない。
 そっとアレスの頬を包み込んで、触れるだけのキスをした。

「これが返事よ。私をアレスの伴侶にしてくれる?」
「……っ! 当然だ。俺のロザリア」

 さらにキツく抱きしめられて、深い深いキスを交わす。アレスの柔らかな唇と熱い舌に翻弄されてなにも考えられなくなっていく。愛しい人との口づけは甘くとろけるような幸せを私に与えてくれた。