「それはそうだと思いますが……どのような理由をつけるのですか?」
「今回のロザリアから来た手紙で情報漏洩の嫌疑をかけて、調査中に証拠隠滅を防ぐためとすれば引っ張れる。今後のことも考えて罪は着せられないからな。あくまで疑いになるが、これで上手くやるしかない」

 確かに家族思いのロザリアなら黙って見ていられないだろう。家族のために戻ってきたところで、妻になれば父親を釈放すると言えば嫌とは言わないはずだ。かなり強引な気もするが、行方がわからないのだから仕方ない。

「それからウィルバート、ロザリアを手元に置いたら確実にあなたのものにするのよ。方法はなんでもいいわ。ロザリアとはもともと夫婦なのだから子をなしても構わないわ」
「ボクのものに……子をなす……」

 そうだ、もともと夫婦だったんだからボクのものにしてもおかしくないのだ。ずっとずっと妻として側にいたのだから、ロザリアだって嫌じゃないはずだ。
 きっとボクが気持ちを向ければ、喜んで戻ってくる。あれだけボクに尽くしてくれたんだから間違いない。
 ロザリアをボクのものにすればすべて解決するんだ!