「待ってよ悠仁! あたしは――――あたしの方が、ずっとずっと、あなたのことを好きだった! それなのに、栞奈はあたしから悠仁を奪ったのよ! あたしの方が可哀そうじゃない! 守られるべきはあたしじゃない! あたしは何も」

「悲劇のヒロインぶるなよ」


 辛辣な一言。レイラが絶望に顔を歪ませる。


「もう二度とお前に会うことは無い。二度とだ」


 ユージーンはそう言って踵を返す。私は彼の後に続いた。