〇映画の撮影中の葉澄。
　教室のセットの中、ヒロイン役の腕を掴み、「俺、ミカのことが好きだ」とセリフ。切実な顔をした葉澄。

監督「カット。いやー、良かったよ御門くん」
葉澄「ありがとうございます」

　「チェック入りまーす」とスタッフの声。
　相手役のヒロインはメイクを直されている。
　葉澄は水を飲むついでにスマホをチェック。潤からのメッセージが入っていることに気づく。

潤『（チケットの写真）』
潤『彩香からもらったんだけど、良かったらデートしない？』
潤『（照れているようなスタンプ）』

　思わず頬が緩む葉澄。

葉澄「久世さん（マネージャー）、週末って俺、オフの日ありましたっけ？」
久世「ん？　今月……は厳しいなぁ」

　スケジュール表には今週末は映画の撮影、来週もロケが入っている。
　葉澄の出席日数や単位も考慮して週末に仕事が入っているため、空き時間を作るのは難しそう。

葉澄「…………」

　無言で考え込んでしまう。



〇帰宅した潤。スマホを見る。

潤「御門くんから返事が来ないな……」
潤「忙しいのかな」

　葉澄のことを心配しているような表情。