どこか遠くで救急車の音がする。いや、私が乗っているんだ、救急車に。こうなったら行き先はひとつ、病院だ。 病院は嫌いではないけど、好きではない。緊張感があるし、もっと柔らかいところだったらこの気持ちもないのかもしれない。そう思いながら、私は意識を手放した。 _この時の私はまだ知らなかったんだ。病院の印象が変わるって、あの人に出会えるんだって。