食べ終わってからしばらくして、佐々木先生が朝食のトレーを取りに来た。
「あれ?秋華ちゃん、もしかして人参嫌い?」
…ばれた、これは家族以外誰も知らなかったのに。先生にバレたことが恥ずかしくて俯いていると、クスッと笑う声が聞こえた。
「あ、ごめん。俺の子供の頃思い出しちゃって。俺も昔は人参嫌いだったなって思い出したらなんか笑っちゃって」
「そう、だったんですか?」
「うん。でも、大人になったらいつの間にか食べてた。秋華ちゃんもいつか自然に食べられるようになるよ」
そう言いながら、トレーを持って出ていってしまった。私、一応大人です。
朝食を食べたあと、喉が渇いたので自販機まで買いに行くことにした。でも自販機は呼吸器内科病棟にはなく、隣の精神科病棟まで行かないとないのだ。そして、その間にある渡り廊下は今、私の敵になっている。今は冬、寒い場所にいると喘息が起こりやすいのだ。でも喉はかわいてるから、上着を羽織って向かった。行きはあっさり渡れた。
寄るところもあるわけないし、とりあえず自販機
「あれ?秋華ちゃん、もしかして人参嫌い?」
…ばれた、これは家族以外誰も知らなかったのに。先生にバレたことが恥ずかしくて俯いていると、クスッと笑う声が聞こえた。
「あ、ごめん。俺の子供の頃思い出しちゃって。俺も昔は人参嫌いだったなって思い出したらなんか笑っちゃって」
「そう、だったんですか?」
「うん。でも、大人になったらいつの間にか食べてた。秋華ちゃんもいつか自然に食べられるようになるよ」
そう言いながら、トレーを持って出ていってしまった。私、一応大人です。
朝食を食べたあと、喉が渇いたので自販機まで買いに行くことにした。でも自販機は呼吸器内科病棟にはなく、隣の精神科病棟まで行かないとないのだ。そして、その間にある渡り廊下は今、私の敵になっている。今は冬、寒い場所にいると喘息が起こりやすいのだ。でも喉はかわいてるから、上着を羽織って向かった。行きはあっさり渡れた。
寄るところもあるわけないし、とりあえず自販機