「それで?ひかるが亡くなったって。」

「本当のことです。ひかるちゃんの最期は僕と一緒にいましたから。」

桜と太陽を眺めながら脱力していく彼女を思い出すと、いまだに泣ける。

「……ひかるが最初に倒れたとき、私が対処したとひかるには言ったんですけど。

本当はどうすればいいのかわからず、救急車が来るまで泣きながら心肺蘇生をしていただけなんです。」

雪さんは、ひかるちゃんとの思い出をポツリポツリと話し始めた。

少し声が震えているようにも思えた。

「……そうだったんですか。」

「はい。それで、私は私の手柄かのように言っちゃって。本当はただ普通のことしただけなのに。

そこからです。アメリカの高校を目指したのは。」

「え、?」

「もっとひかるの役に立てることがないかと考えて、医者になろうと思ったんです。

ひかるだけじゃなくてもひかるのような子を助けられるように。」

雪さんは僕の顔は一切見ず話していた。


アメリカの高校に通っているのはそういうことだったのか。