「ひかるちゃん!!」
私が柵の前に立ったとき、一番会いたかったようで会いたくなかった人の声がした。
声を聴いたらもう死ねなくなってしまう。
だから踏ん切りをつけようと思って、声は幻聴と思い、柵を超えようとした瞬間。
「やめろ!」
その声とともに、私の腕がつかまれた。
そして、後ろに倒れた。
超える前だったから、倒れても高低差はあまりないほうにいった。
「…やめて。はなして」
「無理だよ、離したら絶対柵を超えていくでしょ」
太陽くんは私を掴む力を強くした。
私は苛立ちを覚えてしまって、思いっきり叫んでしまった。