初めて友達たちと祭りに行った時のことだった。
浴衣を着るのが初めてで、歩きづらいと思っていた時、急に頭痛が来た。
これまで感じたことないくらいの痛み。
骨折したり、捻挫したり。そんな痛みと比にならないくらいの痛さで、しゃがみこんでしまった。
周りに人がたくさんいたため、友達とはすぐはぐれてしまった。
立とうとしてもあまりにひどい痛みで、全く立てずにいた。
そうしたら、誰かに助けてもらった気がする。
すぐに私のところにきて、端にある椅子に座らせてくれたし、水や頭痛薬も飲ませてくれた気がする。
どんな声でどんな顔だったのかは覚えてない。痛みに向き合うのが第一だったから。
いっぱいいっぱいでも、言っていたことは覚えてる。
『大丈夫、いつか楽になれるときがくるから、それまで耐えよう』
優しく話しかけてくれて胸がときめいた。
『あ、りがとう。』
痛みに耐えてしっかりお礼を言ったら、その人はすぐにどこかへ行ってしまったけれど。
とても救われた気がした。