生がふっと笑った。

「え、なに?」

「いや、何年もたってるのに、やっぱり覚えてるもんだなって」

「なに…」

「屋上、それに六花のクセ」

生が。

真っすぐあたしを見て、笑う。

柔らかく優しく、まるでゆっくり降り積もる雪のように。