「生…」 「なに?」 ドキドキしていた心臓が、ゆったりになっていく。 生の声に、落ち着いてくる。 相変わらずかっこいい生に胸はきゅんとなるんだけど。 「上京したって聞いてたんだけど」 「うん、ちょっと前に帰ってきたの」 「そっか」 「生は…ここで仕事してるの?」 「いや、隣の街。住んでるのもそこなんだ」 1人? それとも恋人と? 下らないことが頭をかすめる。