しばらく話して静かに電話を切った。

プツと切れる音。
なんだか物悲しい。

あたしはふっと息をついて、自分の部屋に戻る。

ベットの横のライトだけつけ、あたしは寝転んだ。


『逢いたい…』

胸の中に湧き出てくる言葉。

『逢いたい』
『逢いたい』

まるで鈴の音のごとく、鳴り続ける。


本当はあなたに逢うために…

あたしは帰ってきたのよ。


胸を、ぎゅうと握りしめた。