それから矢田とあたしの付き合いは5年になる。

「矢田!」

「おぅ」

サングラスをしてガードレールにもたれかかっている矢田は、今や売れっ子のアーティスト。

あたしは…

恥ずかしい話だけど、矢田のマネージャーだ。

「果歩、今日早過ぎ」

「仕方ないでしょ、仕事入っちゃったんだから」

「…ま、いっか。果歩と長くいれるし」

「え?」

矢田はあたしの肩に腕を回す。

「やめなさいよ。どこにマスコミいるかわかんないのよ?」