ぽやーんとした頭であたしは、ふっと考えた。

…このバンド、インディーズのわりにライヴやらないよなぁ。

一応都会と言われるこの街で、プロを目指すバンドなら1度くらいはやるだろうライヴを、どの情報誌を見ても、ライヴハウスを見ても、なんにも姿がない。

…有り得ない。

ファンとしては、不思議で仕方がなかった。

「帰るかな…」

学校にいたって楽しいわけじゃないし…。

ふぅと息をつき、あたしは立ち上がった。