俺らの馴染みの食堂の親父さんは、豪快で気楽な人だ。 「……そっか、遅かったな」 ふぅとため息をついて、俺は何年も使い込んだ椅子にドカッと座った。 暑くて参ったのもあった。 「ほらよ」 「え?」 親父さんが名物の氷を運んできた。 「そんな死にそうな顔して、これでも食って元気出せ、な?」 「…サンキュー、親父さん」