「……バレなくて良かった!」

仁は、額に汗かいてる。


俺だって!


今だに、心臓バクバクだよ。


「俺、あんな戦場見たの初めてだし。もうこりごりだよ!!」


マジで、バレンタインは女の戦いに思ってしまった。


そして仁に。


ファーストフード店で、ジュースをおごって貰った。


「外は寒いのに、走ったから熱いな?」


「…だな?でも雅也君?茜ちゃんがバレンタインコーナーに、居たって事はさ?」


あぁ…!


仁の言いたい事が分かる。



「誰かにチョコ渡すんだよな?」


ちょっと不安げに仁が言った。


逆に俺はショックだよ!



だって、茜ちゃんか?もう一人居た女の子が、目の前にいる仁にチョコ渡すんだよ?



かなり、イライラ!



言いたくても、言えねーし。



真理ちゃんの顔が頭に浮かんだ。


約束だしっ。



失恋かよ…。


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