千秋くんは、シャイニングのみんなのところに着いてから、降ろしてくれた。

胸のドキドキがまだ鳴り止まない。

あと2人の撮影も残っているというのに。



「愛華ちゃん、また次入れるかな?」

「は、はいっ!」



そんな中、撮影は続いていく。



「次は莉音くんと愛華ちゃんペアねー」

「はーい。愛華ちゃん行けそう?」



監督から声がかかり、莉音くんが心配そうに私に声をかけてくれた。



「うん、多分……」



まだ心は落ち着いてはいないけれど……



「僕がまた愛華ちゃんをドキドキさせちゃうからねっ」



莉音くんはクシャリと子犬のような笑顔を浮かべる。

それが今の私を悩ませているのだというのに。



「行こっ、愛華ちゃん!」



スっと私に手を差し伸べる。

そんな莉音くんの手を私は取った。

莉音くんは何をするんだろう。

ドキドキしながら撮影場所へと向かう。

次の撮影場所は海辺にあった流木。

そこに並んで座るところから始まった。