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私は1人、テーマパークの入口で人を待っている。
今日は、とびっきりオシャレをして、一番のお気に入りのワンピースを着てきた。
少しでも彼らに近づけるように。
そんな待っていた彼らは、遠くからでもオーラが滲み出ていて、そわそわしてしまう。
深めの帽子にサングラスやらマスクやらして変装しているけれど、それがまた逆に目立ってしまっていた。
「おまたせ、愛華ちゃん」
その爽やかさがまた眩しい……
かけているサングラスを私が使いたいくらい。
「お願い聞いてくれてありがとう」
「うん、全然いいの。逆に私なんか誘ってくれて嬉しいというかなんというか……」
結菜から頼まれた色紙を書いてもらうというお願いに対して、彼らからのお願いも聞くことになった。
それがまさに今日のこと。
「僕たちとデートをしよう」と颯汰くんの口から聞かされたのだ。
最初はとても戸惑った。
こんなド庶民の私がアイドルである彼らと一緒にデートだなんて……
夢のまた夢のような話。
そんな颯汰くんの提案に一番喜びの声をあげたのは莉音くんで、みんなの了解を得て、今日という日が実現した。