「おい、やめろよ、莉音」



見るからに廉くんは不機嫌そうだ。



「廉くんが怒ってるー!もしかして嫉妬っ?」



ニヤニヤとする莉音くん。

莉音くんをキッと睨みつける廉くん。

そこにはバチバチと火花が散っているようにも見える。



「うるせー」

「廉くんが嫉妬してる!かわいーっ!」



莉音くんはまったく怖くないのか、廉くんをいじり倒していた。

そんな莉音くんのせいでどんどんと不機嫌になる廉くん。



「れ、廉くんっ」



なんとかなだめようと声をかけた。

それと同時に私の名前を呼ばれる。



「愛華」



廉くんに名前を呼ばれるとドキドキする。

私の名前を呼ぶ声が好き。



「どうにかなりそうだから俺のことだけ見てて」

「……っ」



吸い込まれそうな瞳と甘い言葉に酔いそうになる。

おまけにおでこにキスを落とされて、ぼうっと体が熱くなった。

私にはもう廉くんしかいない。

廉くん以外の人を見るなんてできない。

私は廉くんのことが大好きです。







───Fin.